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生きてえのだ

花と虫と海、それとさんぽが好き。



目次  

かもめ

過去のこと 思い出の曲
あいつは海沿いに暮らしていた
いつも風のように送り迎え
みなとに抜ける三叉路のあたりで
夜がとりとめもなく波打つ
 
いつしかこの部屋で
恥ずかしい日はドアの向こうで
てらいをしてから
二度目のおはようは会社にて
 
妹さんのお店に通い
お母さんとふたり呑み
せがれをよろしくとか
うつむいてこちらこそとか
 
に見上げた初雪
に寄たお祭り
ないしで食べたうな重
目を合わせるだけの温もりも何より
 
 
だから はんぶんつ
それも美しい
ものなのかと
 
 
祝儀を手渡したのも三叉路
石垣の前で襟つきのシ
目も逸らさずあいつは立つ
海が色づき始めたころ
口をついた言葉は刃傷
格好つけやが
泣きごとを言わせる前に最後くらい
あたしにも送らせてと頼む
 
 
たくさんの初めてをもら
くれてごめん
あれからふたりの子宝に恵まれたと聞く
そして明け方首をくくたと


Betcha By Golly Wow- Stylistics

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