生きてえのだ

花と虫と海、それとさんぽが好き。



目次  

前夜の氾濫

両の耳
小指の先をねじ込んでは
瞼落ち
心の臓
血流の音に
呼吸をゆだねる
 
腕がらみ
牡丹を破くとさ
みつが溢れるのよ
 
ひとりで生きようとすれば
 人を頼らざるを得なくなり
 ひとりで死のうとするなら
 後始末を押しつけてしまう
 
こんな思案が存外可笑しく
含み笑いが尿漏れを引き起こし
うもひとすじ
天寿の皺を寄せる
 
おつむはもう揮発性
トマトジスともども吐いて毛だらけ
こんな家に あんた
まだ帰てきてくれるのかい
 
明日から山の向こう
ひとり病棟で暮らす
 
排水溝に払暁の酒を吞ませる
かわりに頬をつたう滴の
かわりに尿漏れ

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