生きてえのだ

花と虫と海、それとさんぽが好き。



目次  

いつか庭先に吊るしてある

白膿の詰まる鉄骨の先に
その器官はつながている
やさしく歪み
哀しく歪み
寝ている間にも歪んで
あまつさえどこまでも犇めいていた
 
母は認知症の容に
父は後見人の容に
弟は保険屋の容に
そして少女は母の容に
薄く柔いくちびる
それは苦労をしていないからだという
 
桃色のあじさい
どくだみが煩い
不乱に骨まで舐り
吐いたりさすたり
いわゆる排泄をつかさどり
血脈のあとを鉱脈は辿る
 
泣き疲れた少女もやがて
母とな
かぞくも
そんぞくも
にんげん様は食べごろをわきまえている
機能的本能のプログラム
 
ひとは土へと
二度と還れるものか

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