生きてえのだ

花と虫と海、それとさんぽが好き。



目次  

層雲

へし折れた田んぼの衣擦れに
ちくちく西日が染みついた
かぜが涼しさを練ると人は家路を急ぐ
こうもりばかり目で追
 
上を向いて歩いてばかりだ
きも線路に躓いた
ヴエヴエと呼んだ者がいる
足のうらの蛙だ
 
洗濯歯磨きお手洗い
昨日できたことは今日できているか
なにゆえ天を見上げているか
憶えているのか
 
昔よじ登た煙突が
明日もぴしりとそそり立つ
月の撃鉄がはしごを鳴らす
宏遠にけぶると登壇せよとのこと
 
とちの木のさらに向こう
降りそそぐ重力体のひとつ
またひとつ 踏み拉けよと
すそを引く柔肌のつぼみ野

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Radka Toneff Moon's a Harsh Mistress

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