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生きてえのだ

花と虫と海、それとさんぽが好き。



目次  

ひと筆

山波がいそう黒澄んだ
鈍行列車で行く
すぐ最後尾に身を投げる
とにかく飛び込むのだ
することは決まているが
しないことは決めていない
 
黒松に白濁の月
この町で磯の香りなど感じたこともない
 
あたしは丸くかたつむり
蛇口を閉め忘れてジグジ
すぐひと筆
たわんだふた筆
海でふくませ陸(おか)でととのえ
背中をつたて腰の入り
うつぶせで火を焼べたのは
半熟の夜明けを待てないから
 
 
若い背広が揺れていた
白髪の眼鏡があくびする
段々飛びの車窓から
初めて白波のふちを見た
磯くさい
だがどこまでも嘘くさい
探した
O脚の背広を
酔眼の眼鏡を
墨でどろくちの女を探した


2pac-Tupac No More Pain

© 2016 生きてえのだ

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